ジョイント式人工芝の場合、不快な静電気の発生の問題が付きまといます。
人工芝の上を歩くと、履物の裏面とパイル(葉状部)の摩擦、および、パイルの部分が擦れあうことによって発生します。
原料中に帯電防止剤を添加することで静電気の発生を抑えることが出来ますが、効果の持続性には疑問が残ります。
帯電防止剤の殆どは界面活性剤で樹脂の表面に滲出(ブリード)することで帯電防止効果を発現しますが、雨などに流されてしまいます。その結果、滲出するだけの量が樹脂に内部になくなった場合、静電気が発生し易くなります。
屋外などでは、この現象が比較的早く起きます。
静電気の問題は、使っているうちにチリやほこりの付着が起きて、付着物の吸水・保水により少しずつ緩和されて行きます。
通常は、「プラスチックだから静電気が発生するのは当たり前」と割り切られて静電気が収まるのをお待ちになる方が殆どです。
でも、小さなお子様やお年寄りにとっては静電気の放電時のショックに耐えられない方もいらっしゃいます。
数年に一度くらい、そのようなお問い合わせをいただくことがあります。
その場合は、ロール状の人工芝でパイルの撚り加工時に非常に微細なカーボンファイバーを混入して静電気の発生を防止する方法の応用で、お客様にアドバイスをしています。
つまり、大気中にコロナ放電(大気放電)を行う性質のあるカーボンファイバーやサンダーロンのモノフィラメントを水に分散させてその分散した水を人工芝に散布する方法です。
散布された水の中のカーボンファイバーやサンダーロンが人工芝のパイルに絡まって静電気の発生を抑えてくれます。
この方法は、私が以前に特許を取得した方法(帯電防止人工芝 特許第2777339)です。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
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