施工は、上にタールカーペットなどを敷く場合が殆どで、結果的には、防音材の製造+防音施工+内装工事を行うことになります。
そこまで行いますとつい情も湧き、「その後どうなっているのだろう。」と思ってしまいます。
今まで、施工を行ってクレームになったことは一度もありませんが、それでもやはりふと思い出したときなど気になってしまうものです。
これから説明いたします施工例もその一つです。
場所は神戸です。
駅近の繁華街を通り抜けた大通りに面したビルの3階の芸能養成学校のダンス教室で、階下が有名なレストランの吹き抜けになっています。
つまり、3階のダンス教室の床は1階のレストランの吹き抜けになっているので、床で発生した生徒さんのモダンダンスの際の足音が吹き抜けで共鳴して大きな衝撃音になってしまうとのことでその防音工事です。
かなりお急ぎのようで、お電話を頂いて直ぐに現地に行って状況の把握を行いました。
床はしっかりしていたのですが、多人数で踊る(勿論、ジャンプする時もあるでしょう。)となると衝撃を吸収するだけの十分な厚さが必要です。
さらに使用状況を考えれば、使ってもスポンジ(発泡層)が薄くならずに防音効果が長く持続するような工夫も必要です。
スポンジマット2層では初期の防音効果は期待できますが、激しい動きの床材としてはたとえ腰のあるタイルカーペットを上に敷いたにしても、長期的には無理があります。しかも、柔かいので上に敷いたタイルカーペットがずれたり、外れたりするでしょう。
理想的には、比較的弾性の高い材料の上層で衝撃を吸収・分散し、下層のスポンジマットで残った衝撃を吸収するといったような方法をとる必要があります。
つまり空気中に板が浮いてその板の上で踊ることになれば、床に衝撃が伝わりません。
そのような状態に出来るだけ近い施工を行う必要があります。
幸いリソーネットではたくさんのジョイント式の発泡マットがあります。
いろいろと考えた末に、ぎりぎり敷きこめる最大限の防音層を作ることにしました。
スポンジマット+クッションマット(グレー・非エンボス)+タイルカーペット
=21mm+18mm+5mm=44mm
これだけの厚さとなると各層間でのズレが心配ですが、発泡層がそのまま残ったクッションマットの非エンボスタイプならずれにくく、タイルカーペットはセルフロックタイプなので粘着剤を使わなくてもずれません。また、この方法では念のためにズレ防止用の固定剤を塗りましたが、水性のものを利用して
部屋に溶剤が発生しないようにしました。
更に、この厚さに対応する出入り口用のテーパ材も別注品として作りました。
施工自体は昼の休憩時間(1時間)を入れても、6人で5時間でした。
100平米を5時間ですから工事自体は簡単です。(3層の施工なので実際は300平米となります。)
料金は施工代金を含めても100万円ちょっとで済みました。
(当社の場合、㎡単価方式ではなく、材料代+施工代金でお見積りを行いますので非常に割安になるわけです。)
他社からは約280万円のお見積りだったようで、大層喜んでいただきました。
施工の途中では、床の音が響くとのクレームが何度かありましたが、施工が終わる間際のタイルカーペットの敷き込みの時点ではクレームは発生しなくなりました。
2層(スポンジマット+クッションマット)敷きこんだ段階で十分な防音効果が発現していたのでしょう。
ご参考までに施工手順に従った画像を掲載します。
スポンジマットの敷き込み(パープル面が上ですね。)

クッションマット(グレー)の敷き込み

タイルカーペットの敷き込み

出来上がり(左側はダンスチェック用の大鏡です。)

ブログランキングに参加しています。
