スプリング式のロールカーテンキットやロールスクリーンは巻き取りパイプ内のバネが締められたり、緩めたりして巻き取り、送り出しが行われるので、バネの巻き数に見合った長さを超える巻取りは出来ません。
特に、幅が小さな場合は、巻き取りパイプ内にセットされたストッパーの長さ分だけ挿入されるバネの巻き数が短くなり、幅と高さの比は、より融通が利かなくなります。
比率をアバウトで申し上げますと限界は60cm以下の幅では3倍程度の長さ、100cmを超える幅では4倍弱の長さとなります。
また、このようなご注文はインテリア用品としてでなく、業務用の場合が多く、生地(スクリーン)の問題もかかわってきます。
生地が厚いと丈の長さが大きくなる分、巻き取った状態の巻き取りパイプも含めた巻取り径が大きくなり、枠に詰まる場合も考えられます。
更に、幅が大きな場合、高さ(丈)が大きい分、面積が広くなり、即ち自重が大きくなって巻き取りパイプがたわんでしまうこともあります。
当社ではご注文をいただいた際に、「ちょっと難しいな。」と感じた場合は問い合わせをして、出来るだけ適正な仕様と生地使いになるように努力しています。
また、どうしてもご要望に対処できない場合はお断りするようにしています。
更に、このような場合は製品の仕上げまで当社で行うことになりますが、ご使用の方法を前提に巻き取り方式、パイプの断面形状、取り付けブラケットの個数、生地の固定方法、グリップの種類などさまざまなアドバイスを行って、それぞれの仕様を決めて行きます。
勿論、お客様のご希望に出来るだけお応えするように執り行いますが、以下に幅に比べて丈の大きなロールスクリーンのポイントを列記します。(但し、用途や使用環境によって対応しなければなりません。)
巻き取り方式:
丈が大きいので、スプリング方式の場合はプルコード(紐)も長くなり、スクリーンを巻きおろすと床に当たります。また、誤って紐を引っ張ってストッパーが外れて急に巻き上がって破損してしまう事も考えられます。
チェーン方式の方が望ましいのではないでしょうか。チェーン方式の場合、お子様対策として床からのチェーンの高さを考慮する必要があります。
パイプの断面形状:
幅が広く、更に幅に比べて丈も大きく、生地が厚い場合は、生地の重量(自重)が大きくなり、巻き取りパイプがたわんできます。このような場合は、巻き取りパイプを異型断面にする必要があります。
取り付けブラケットの個数:
ロールスクリーン全体を壁や天井にネジで固定する取り付けブラケットの個数は、ロールスクリーンの落下防止だけでなく、たわみ防止にも役立ちます。この付属品の個数は当社で安全性を考慮して必要個数をロールスクリーンに同梱しています。
生地の固定(取り付け)方法:
粘着テープと凹部に固定バーと共に差し込むウォッシャブルタイプの2つの固定方法がありますが、取り付けの簡便さと縦じわの発生を考えますと粘着テープがお勧めです。粘着テープの場合は常に巻き取りパイプ上に1周分残るようにするとよりしっかりとした取り付け部の固定が得られます。当社で出荷する場合は必ず1周分の余裕を加えて製作しています。
グリップ:
スプリング方式をお選びになった場合、プルコードの紐が長くなってしまいまっすので、四角いハンドルにして紐の長さによる支障を防ぐことも出来ます。
以上が主なポイントです。
ご参考になりましたら幸いです。
次回はロールスクリーンを横にして使用するケースについての記事を掲載します。