スパッタシートはガス溶接・アーク溶接時に飛散する微粒子や溶断時の火花の飛散を防ぐシートで、非常に高温の粒子の飛散も考えられるので極めて耐熱性の高いシートを必要とします。
弊社の販売しているスパッターシート(溶接シート・不燃シート)は表裏(繊維側と樹脂側)とも発炎しない「JIS A 1323(建築工事用シートの溶断および溶断火花に対する難燃性試験)に規定する難燃性A種(表裏異種」」に合格したシートです。
繊維側は一般に耐炎化繊維と呼ばれていますが、当社のスパッターシートはカーボンファイバーをフェルトにしたもので、裏面は酸化アルミニウムを特殊な樹脂で分散させた水溶液を架橋・乾燥させたものです。カーボンフェルトは水を含みやすいので、含水させることでより確実に、効果的に使用できます。
そのため、A種、即ち「厚さ9mmの火花発生用鋼鈑を溶断する時、発生する火花に対し発炎及び防火上有害な貫通口がないこと。」と規定された日本工業規格のA種に合格したのです。
このように極めて難燃性の高いリソーネットのスパッタシートは、瞬度1300℃の高温に耐え、連続使用では250℃で使用できます。
表裏のどちらかを使用側にお選びになるのも使い勝手次第で物性上の支障はありません。
勿論、カーボンファイバーフェルトですから、アスベストのような粉塵や公害問題はありません。
以上の極めて高い難燃性や耐熱性を利用して溶接時保護シート、溶断時保護シート以外の用途も沢山考えられます。
コンロ・ストーブの敷物、熱い鍋の敷物、耐熱手袋等等。
リソーネットは原反の販売を行っていますので、用途はこの記事をお読みの方々でお考えくださいませ。
また、カーブンファイバーのため熱が加われば赤外線が発生し、温熱効果もあるようです。
私は冬場にひざ掛けやシーツとして使っています。
フェルトは不織布ですから、縫製品としての用途も考えられますね。
今回はスパッタシートの耐熱性、難燃性のほか、溶接・溶断以外の用途を簡単に説明した記事としました。
ご参考になりましたら幸いです。
ロールカーテンキットをご購入なさった方のご使用方法は、大別すれば2つあるようです。
一つはご自分で気に入った生地(スクリーン)を使ってロールスクリーン(カーテン)をお作りになる方です。
この場合は殆どが個人の方々です。
以前はロールカーテンキットが届いた後に組み立て(仕上げ)の方法のお問い合わせが多く、完成するまで長時間のお電話を頂くこともあり、対策としてロールスクリーンの完成までの手順書(マニュアル)を付けることにしました。
また、ロールスクリーンの巻取りパイプを外して生地を取り付ける際にパイプの位置が当初の位置と逆になっている場合のお問い合わせも多く、このクレーム防ぐために、巻取りパイプをフレームから外す際に元の位置にマジックペンなどで印をお付けになるように手順書に付け加えました。
巻取りパイプを逆に取り付けてバネを巻くと逆巻きになってバネの条数が減りバネが外に広がって、結果バネが重なり合ってバネが利かなくなるといったことが起きてしまいます。この件でお電話を頂いてもお客さんはなかなかそのことをお認めにならないことが多く、「送っていただいたら直ぐに分かることですよ。」と申し上げて初めてお認めになる場合が殆どです。このようなことが発生した場合、当社で手直しをしますが、申し訳ないことに《返送代+こちらからの運賃+修理代》が掛かってしまいます。
幸い、手順書に取り外しの際のマークを付けることを加えたためにこのクレームは収まりました。
近頃では、皆さん手順書をよくお読みになっている所為か、お届け後の個人の方のお問い合わせは全くない状態が続いて、大変嬉しく思っています。
次は、当社のシートや生地をお選びになってご購入なさるかたの場合です。
この場合は目的が千差万別ですので過去の例から数例取り上げてみます。
1.大手鉄鋼メーカーより電波遮蔽シートを生地にしてのロールスクリーン(ストッパー無し)のご注文を頂きましたが、検査機器からの磁界波を装置から出さない(抑制)ためのものでした。この例は鉄鋼メーカーのほうでデータを出した後のご注文ですから大変楽でした。10セットぐらいのご注文を頂きました。
2.大手計測器(ロボット)メーカーより組み立てロボットの作動する部屋の窓(取り出し窓)の安全扉としてのお問い合わせがありましたが、打ち合わせを行った結果、静電気対策も必要とのことで除電シート(0.8mm厚)を生地としてストッパー無しのロールスクリーンにして出荷しました。
3.大手自動車メーカー系列のフォークリフト企業様より牽引車に続く貨物用台車の防水用のスクリーンのご相談を頂いて、錆びにくい金属材料と透明度の高いUVクリアーシートを使った仕様の図面を作成後、認証を頂いて防水用のストッパー無しのスクリーンを出荷しました。
4.個人の方で高さのある収納庫の開閉扉の用途としてロールスクリーンのご注文を頂きました。幅が小さめで高さがあったので通常の扉では対応できないとのことで、また、収納庫の状態を確認したいとのご要望もあり、UVクリアーシートを使ってのロールスクリーンとなりました。この例では、スクリーンの停止位置がその都度に決められるようにストッパー付きの出荷となりました。
以上のように殆どのケースでは法人様ですが、個人でもこだわりのある方は仕様をお決めになってご注文の方もいらっしゃいます。
ところで、ご自分で生地を探した後にロールカーテンキットをお求めになる場合、ロールカーテンに使用できる生地かどうか事前にご確認下さい。
裁断面がほつれるような生地、延びて真っ直ぐに巻き出せないような生地、厚くて巻取りの際にフレームに掛かってしまう生地、織りのせいで真っ直ぐに巻きだしが出来ない生地、フリルが付いて巻き取りの際に巻取りロール上の厚さが不均一になってしまう生地等にはご注意下さい。
ご不明の際は生地の切れ端を送っていただきましたら、当社で判断いたします。
また、最断面がほころぶ場合は当社でレーザカット(溶断)することで、ほころびを防ぐことが出来る場合もありますので、その際はご相談くださいませ。
今回はロールカーテンキットを使って、ロールスクリーンを作るためのヒントを記事としました。
EVA樹脂の架橋発泡は当社の得意とするところで、原料の調合から練り込み、加熱プレス、二次加工まで全て自前で行っています。
そのため打ち合わせ段階で、色、発泡倍率、硬度(柔かさ)、架橋度、製品のサイズおよび形状、表面のエンボスの有無(スキン層の有無)、ロットなどをお聞きすればそれに見合った商品を作り上げて行くわけです。
色は発泡体のため、やや白く薄めの色になります。また、所定の厚さにするためのスライス加工(漉き加工)の際の刃物の動きによって同じ色合いのものでも違って見えることがあります。このことはいつも悩みの種です。出来上がったシート状のものに熱ローラーでエンボス加工すれば表面にスキン層(皮膜)ができ、概観上の色むらは大きく軽減されます。
また、スライスして出来上がったシート状物の周囲は発泡の目が細かく色が濃くなります。通常は端縁部は取り除くのでこれが原因の色むらはそんなに発生しません。
発泡倍率は8~15倍程度のものが多いのですが、架橋発泡は化学発泡のため発泡の粒は肉眼で見るにはよほど眼を凝らさないと分からないでしょう。
硬度は原料配合による方法、架橋度(熱プレスの時間や温度条件の調整)による方法、架橋剤の種類や含量調整による方法をいくつか組み合わせて行います。
架橋度は架橋剤の含有量と種類に大きく依存しますが、プレス温度やプレス時間によっても調整します。
出来上がった発泡体は冷却された後にサイジングされます。この冷却時間(養生)が非常に大切で完全に冷却した後でないと熱収縮が発生します。また、原料のEVAは結晶性の樹脂のため結晶化度の均一化も非常に重要です。
サイジングはスライス(水平切断)とバーチカル(垂直切断)が基本です。この作業は非常に危険で、出来栄えは職人さんの技量に依存することになります。
時にはテーパを持った斜めの切断を行う場合もあります。スポンジマットの段差解消用のテーパ材はこの切断によるものです。
エンボス加工は一度架橋して出来上がったシートに予熱を加えてエンボスロールに掛けるので、未架橋の架橋剤がいたずらをする可能性がありますので、短時間で、しかも低温で行う必要があります。また、結晶化温度以上になり、冷却時に結晶化収縮を起こすので発生を抑えるためにも出来うる限り低温でしなければなりません。
ロットに付きましては、配合や粗練りを行うバンバリーミキサーの容量の関係で120kg程度の原料を使った製品でないと対応できません。
テスト機を使って試作を行う方法もありますが、手間ひまが大変で社内用の開発品以外は出来るだけ行わないようにしています。
近頃、同業の方からの技術的なお問い合わせが多いのですが、技術的な知見もなく答えだけを求める方が非常に多く困っています。
また、企画関係の方が商品開発にEVA発泡体を使いたいと仰る方のお問い合わせもEVAの性質から説明しなければならないことがよくあります。
この記事がそのような方のご参考になれば幸いです。
明けまして
おめでとうございます
本年も当ブログのご愛読をよろしくお願い申し上げます
今年はネットショップにとって大変厳しいとしになるかもしれません。
この不景気の中、不要不急の商品は売れなくなるでしょう。
消費者の方の商品を見る目は今迄以上に厳しくなるものと思われます。
リソーネットの商品の中には、お客様のご要望に合わせて製作する商品が沢山あります。
その中で今回は特注(別注)シートの記事を掲載します。
別注シートの中には、パレット用ボックスカバー (立体保護カバー)、砂場保護シート、粉塵吸着シートDSのようにサイズ指定(規格サイズ)がなく、お客様からのご指定の規格に合わせて作る商品があります。
これらの商品は規格サイズを作ってもそのサイズでは殆ど売れず、サイズの他に、鳩目の個数と位置、台形・円形などの形状、折り返しの仕様、マジックテープやジッパーなどの付属品をご指定頂き、製作するものです。
また最近月によっては、超撥水シート、塩ビ防炎シート、UVシート、UVクリアーシート、透明防炎シート等は規格品よりは別注品の方が出荷割合が多い場合がよくあります。
このことは前述のように、割安でも規格品のセットで多くの枚数を購入するよりも、目的に合ったものを必要枚数だけ購入する「不要なものは買わない」という消費者の意思なのでしょう。
リソーネットでは一枚の別注品でも喜んで対応いたしております。
一枚の別注品でも是非ご用命くださいませ。