

(リビングの対面で同じ場所ではありませんが、リビング内の施工途中と施工後の画像です。)
今回はスポンジマットとタイルカーペットの記事を書きます。
スポンジマットとタイルカーペットの施工で大きく異なるのは、スポンジマットが壁際からの施工に対してタイルカーペットはお部屋の中から壁際に向けての施工を行うということです。
スポンジマットは段差を作らないためにも全面に敷くことが理想的ですが、バリアフリーのお部屋ではドアに当る場合が良くあります。
その場合は、そのドアの開く箇所は避けてテーパ材で囲うようにして、その開閉箇所はタイルカーペットのみとします。
上画像は、スライドドア出入り口に段差解消にテーパ材を使った後にタイルカーペットを上に敷いた当社の防音施工例です。
タイルカーペットは、腰(裏面のバッキング層のことです。)が強く、防音効果の点からパイルがナイロン製で、パイル高が大きいものが良いでしょう。
また、防ダニ処理済や防炎認定品、防汚性のあるものをお選びになることをお勧めします。
更に、粘着材を塗布したものや接着(粘着)剤を必要とするものよりは、溶剤を含まず4☆認定のカーペットをお勧めします。
周縁(壁際)処理は、スポンジマットの場合は、壁から5~10mm程度の隙間を作って敷くことが肝要です。(夏場の留守中にお部屋の気温が高くなってスポンジマットが膨張して外れることを防止するためです。尤も、外れてしまっても膨張した部分をカットすれば簡単に修復できますが・・・)
詰め込むように敷き込むことは避けてください。
タイルカーペットは内装仕上材ですから、周縁処理はきちんと仕上る必要があります。
壁は一見直線状に見えますが、細かな、緩やかな曲線、斜線を描いている場合が殆どですから、壁に合わせて仕上る必要があります。
簡単な方法としては、残った寸足らずの床に当てて、中央より敷いてきたタイルカーペットの下に敷いて、そのカーペットの端部に沿ってカットすれば、カーペットと壁の間に収めることが出来ます。
当社のショールームにお越しの方で、スポンジマットの施工方法を説明する時に、上記の廊下でドアが外開きの箇所はタイルカーペットの単独使用をお勧めしていますが、廊下の場合は下に配管が通っている場合が殆どで何もしないことよりは少しでも音を軽減させるための処理です。
本来ならば、ドアの底を20mm強カットして、スポンジマットを敷いてもドアが当たらないように処理することが望ましいのですが、さすがに人様のお部屋のことですから、申し上げにくく、やむを得ずの判断なのです。
ところが、タイルカーペットでフローリングの床の衝撃音のトラブルが解決すると思い込んで、タイルカーペットのみで防音処理ができると思い込まれた方が一例発生しました。
多分、私の説明の後に、防音カーペットをお調べになって、「LL40以下に出来るタイルカーペット」のショップから購入なさったのでしょう。
私共の防音試験結果ではフローリングの上にタイルカーペットを敷いただけでは、LL40以下にはなりません。
コルクを貼った分厚いタイルカーペットを除いた通常のタイルカーペットで階下との騒音トラブルが解決するとは非常に考えにくいものです。
現実に、防音カーペットを購入してもトラブルが解決しなかったので、当社のスポンジマットをご購入いただいている方が沢山いらっしゃいます。
騒音トラブルはその問題を抱えた方にとっては非常に深刻な事態です。
そのことを考えて、タイルカーペット単独でLL40以下の表記を行っているショップの方には、タイルカーペット単独処理での軽量衝撃音試験の試験結果を表記してほしいものです。