今回はカーペットで仕上る前の画像を掲載しました。スカイブルーは強力マット21mmタイプで沈み込み防止用のマットです。上左図の強力マットの上には大型テレビ台、上右図の強力マットの上には棚が並べられます。
防音用スポンジマットをお買い上げいただいた方の半数以上の方は数量が足らなくて追加のご注文を頂いています。
そのリピートのご注文の備考欄に騒音問題から開放されたお喜びとお礼の文章が書かれていることがよくあります。
また、ご自身で施工なさった後に、改めてお礼のメールを頂くこともしばしばです。
商品をお買い上げいただいた上でのお礼ですから大変嬉しく思いますが、お客様からのメールですからこちらも恐縮してしまいます。
それらのお礼の文面は、スポンジマットシリーズのこれからの更なる改良と品質の維持への激励と思ってモチベーションを高めるようにしています。
ところで、時々メールではなくお手紙での礼状を頂くことがあります。
今回はそのお礼状を頂いた一例を取り上げてみます。
お手紙を頂いたのは長野県の女性の方です。
スポンジマットの販売を始めて間がない頃ですから、約10年弱前ごろのことです。
その頃はシリーズでなく、スポンジマット本体とフチ材のみです。
お電話を受けたのは私ではありませんでしたが、話が極めて深刻そうなので替わってお聞きすることになりました。
受話器からもすすり泣きの様子が良く分かります。
30分以上お話を伺って大体のトラブルの状況はつかめたのですが、肝心の床の構造が分からず問い合わせますと古い木造のアパートで床は板張りとのことです。
つまり床の状況は床板と階下の天井板のみとなり、現状はほぼ音や振動が筒抜けの状態です。
いくらなんでもこの状況では折角スポンジマットをお買い上げいただいても効果が発現しない可能性があります。
期待するとしたら、全面に敷くことで音の漏れを防ぐことと梁(大引)と根太のバランスがよくスポンジマットとバランスよく衝撃を吸収できる場合のみといってよいでしょう。
そのことをお伝えして、スポンジマットがお役に立てるかどうか分からないことも説明しました。
しかし、その方は「効果が認められなくてもクレームにしませんからとにかく出荷してほしい。」と仰るのでとりあえず1ケース(30枚)をお届けしましたが心配でなりません。
ところが、その心配を払うかのように3日後に弾んだ声で追加のご注文を頂いたことの連絡が営業より私の方に入りました。
それでも私は半信半疑でしたが、更に数日後に毛筆で書かれたお手紙を頂いたのです。
文面は、音のトラブルから開放されたお喜びと苦しい時に親身になってご相談に乗ったことへの感謝のお気持ちが書かれていました。
拝読して、その方のお気持ちが伝わってきて本当に良かったと思うと同時にネット販売で直接消費者の方へ販売できる状況に感謝しました。
(その頃は、当社のようなメーカーが消費者の方へ直販している例はほとんどありませんでした。)
その後、大阪のショールールで、お客様からのご相談を受けるようになったのはこれがきっかけです。


(リビングの対面で同じ場所ではありませんが、リビング内の施工途中と施工後の画像です。)
今回はスポンジマットとタイルカーペットの記事を書きます。
スポンジマットとタイルカーペットの施工で大きく異なるのは、スポンジマットが壁際からの施工に対してタイルカーペットはお部屋の中から壁際に向けての施工を行うということです。
スポンジマットは段差を作らないためにも全面に敷くことが理想的ですが、バリアフリーのお部屋ではドアに当る場合が良くあります。
その場合は、そのドアの開く箇所は避けてテーパ材で囲うようにして、その開閉箇所はタイルカーペットのみとします。
上画像は、スライドドア出入り口に段差解消にテーパ材を使った後にタイルカーペットを上に敷いた当社の防音施工例です。
タイルカーペットは、腰(裏面のバッキング層のことです。)が強く、防音効果の点からパイルがナイロン製で、パイル高が大きいものが良いでしょう。
また、防ダニ処理済や防炎認定品、防汚性のあるものをお選びになることをお勧めします。
更に、粘着材を塗布したものや接着(粘着)剤を必要とするものよりは、溶剤を含まず4☆認定のカーペットをお勧めします。
周縁(壁際)処理は、スポンジマットの場合は、壁から5~10mm程度の隙間を作って敷くことが肝要です。(夏場の留守中にお部屋の気温が高くなってスポンジマットが膨張して外れることを防止するためです。尤も、外れてしまっても膨張した部分をカットすれば簡単に修復できますが・・・)
詰め込むように敷き込むことは避けてください。
タイルカーペットは内装仕上材ですから、周縁処理はきちんと仕上る必要があります。
壁は一見直線状に見えますが、細かな、緩やかな曲線、斜線を描いている場合が殆どですから、壁に合わせて仕上る必要があります。
簡単な方法としては、残った寸足らずの床に当てて、中央より敷いてきたタイルカーペットの下に敷いて、そのカーペットの端部に沿ってカットすれば、カーペットと壁の間に収めることが出来ます。
当社のショールームにお越しの方で、スポンジマットの施工方法を説明する時に、上記の廊下でドアが外開きの箇所はタイルカーペットの単独使用をお勧めしていますが、廊下の場合は下に配管が通っている場合が殆どで何もしないことよりは少しでも音を軽減させるための処理です。
本来ならば、ドアの底を20mm強カットして、スポンジマットを敷いてもドアが当たらないように処理することが望ましいのですが、さすがに人様のお部屋のことですから、申し上げにくく、やむを得ずの判断なのです。
ところが、タイルカーペットでフローリングの床の衝撃音のトラブルが解決すると思い込んで、タイルカーペットのみで防音処理ができると思い込まれた方が一例発生しました。
多分、私の説明の後に、防音カーペットをお調べになって、「LL40以下に出来るタイルカーペット」のショップから購入なさったのでしょう。
私共の防音試験結果ではフローリングの上にタイルカーペットを敷いただけでは、LL40以下にはなりません。
コルクを貼った分厚いタイルカーペットを除いた通常のタイルカーペットで階下との騒音トラブルが解決するとは非常に考えにくいものです。
現実に、防音カーペットを購入してもトラブルが解決しなかったので、当社のスポンジマットをご購入いただいている方が沢山いらっしゃいます。
騒音トラブルはその問題を抱えた方にとっては非常に深刻な事態です。
そのことを考えて、タイルカーペット単独でLL40以下の表記を行っているショップの方には、タイルカーペット単独処理での軽量衝撃音試験の試験結果を表記してほしいものです。