当社グループでも一部バスマットの生産をしていましたが、バスマットは上面に掛かった水を通す通水のための穴があり、最近のものは裏面で水が流れるように突起が出ています。
バスマットの樹脂原料としては以前はポリエチレンが多く、粗い発泡と表面の強化のための模様入りのシートの溶着が特徴です。しかし、軽量で水に流されやすいことや貼り付けたシートの剥離の発生があり、現在はあまり使われていません。スポンジマットと対比されるのはこのタイプのものです。
最近では、ブロック発泡したEVA系のものが殆どですが、このタイプのものは硬度からいって、衝撃吸収には向いていません。
当社のスポンジマットは、数多くの発泡製品を製造している中でも、特に衝撃を吸収して音の発生を軽減するために作られた床の防音専用の発泡マットです。
以下に構造の面から防音性能の発現の説明を行います。
上図のようにスポンジマットの断面は3層になっていますが、単純に一体成形や積層成形したものではありません。
また、各層の色が異なるのは、手間が掛かっても各層の品質をそれぞれにチェックするために必要なことなのです。
製造工程としては、

のように、各原板(各色の発泡体)を規格に合わせて生産します。
この各原板は発泡層と両側のスキン層から成ります。
発泡層は衝撃吸収性に優れ、スキン層は衝撃の分散性に優れていますので、スキン層が破壊されずに残るように非常に微妙な温度管理で融着されます。
この結果、6層のスキン層(実際は出来上がった時点で4層ですが、)と3層の発泡層が残った状態となっています。
更に、各発泡体(3層)をみれば、両側の発泡層は非常に柔らかで、中の芯の層は両側に比べてやや硬め(それでも随分と柔らかです。)です。
つまり、各発泡体でみれば、衝撃吸収性に優れた発泡体の間に衝撃吸収性と衝撃分散性に優れた発泡体が挟まっていることになります。
これらは実際のご使用結果を検討しながら改良を重ねてきた結果なのです。
また、色に付きましては、各発泡体が規格どおりに出来上がっていることがチェックしやすく、製造に手抜きのないように、との目的で発泡体間で異なった色になっています。そして、片面は畳みの色に近いもので落ち着いた雰囲気になるように、もう片面は汚れが目立たないようにパープルでといった具合に仕上がっています。リバーシブルなので、お好みの色がお使いいただけます。
スポンジマットの構造について、更に、何故スポンジマットは防音効果が高いのか、をご理解いただけましたら、幸いです。

今回は、パッチングデッキとニューパッチングデッキ(以下、Nパッチングデッキとします。)の使い分けのためのヒントを記事にいたします。
パッチングデッキは水はけが良く、そのためにプールサイドにも数多く使用されています。
今月だけでも大型のプールサイドへの出荷が4件あります。
そのプールサイドの床材としての条件は、
・素足での歩行が可能であること
・水はけが良いこと
・床面上(パッチングデッキの裏面)での通水を妨げない
・滑りにくいこと(ノンスリップ性)
・簡単に施工でき、破損箇所の取替えが容易
・転倒時の安全性の向上
等が考えられます。
最近はお子様だけでなく、かなりのご年配の方もプールにお出かけになっています。
Nパッチングデッキはそのような小さなお子様やお年寄りが裸足で歩いても痛く感じないようにパッチングデッキに比べてやや柔かめの樹脂で出来たデッキ材です。
また、屋内でのご使用を前提にしたものでもあります。
と申しますのも、屋外ではプールの開いている時期は暑い季節で、パッチングデッキが高い気温のためやや柔かくなり、ニューパッチングデッキを使用する必要がないためです。
Nパッチングデッキは、屋内プールサイドでのご使用を考えて、柔軟性以外にパッチングデッキにはない特徴があります。
まず、色に付きましてはパッチングデッキのように原色に近いものはなく、パステル調の感じになっています。
更に、裏面の円筒状の脚(スペーサと云います。)の一部に補強用のリブが付いています。
これは室内プールサイド特有の水はけのための勾配でスペーサの根元が折れ曲がらないためのものです。
下の両画像を見比べていただけましたら、お分かりになりますね。
室内プールサイドはそんなに奥行きがあるものではないので、水が溜まらないように排水路に向かって勾配が大きめのものが多いからです。
配合物に付きましては、元々太いリブ構造なので紫外線劣化しにくく、屋内での紫外線暴露の程度を考えて紫外線吸収剤の配合は行っていません。
そのため、パッチングデッキに比べてもそれほど価格差が大きくありません。
パッチングデッキの場合はご使用がプールに限らず屋外のため耐光剤が配合されています。
以上、季節的にプールサイドの床をご検討なさっている方が多いと思われますので、ご参考になればと書き留めてみました。
