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リソーネットの商品のお問い合わせを主体にネットショップでは説明しきれない商品の補足説明を行います。
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空手マット
前回の記事に続いて今回はスポーツ用マット、特に空手マットについて説明いたします。

社団法人日本空手協会向けの公式試合マットの生産依頼を盟和産業株式会社様より受けましたのは今から約4年前です。

空手公式マット1 空手公式マット2
 
空手公式マット3 空手公式マット
 

当初はお話を伺ってもどうもしっくりとこなかったので、何度かお断りしました。
しかし、小生が大阪のショールームに居た時に、突然お越しになってびっくりしました。
小生は月に2度くらいしかショールームに行きませんので、小生がショールームにいるかどうかを何度も足を運んでお調べになっていたのでしょう。
さすがに、その熱心さに心を打たれて開発をすることを決めました。

最初にご要望にに近いものを作って、それの改良点を指摘していただき、開発して、最後に仕様を作るといった流れになります。

空手マットは、発泡マットとしては非常に硬い部類に入ります。
C2硬度計で70度ということですから、架橋密度の高いものにする必要があります。
更に、足裏などの肌を傷めないように重質炭酸カルシウム(以下、重炭)の含有量を大きく減らさねばなりません。
通常は発泡したマットを床にフィットさせたり、反り返りを防ぐためには重炭の含有量をある程度高くするのですが、今回はそれが出来ません。
また、本来の目的の空手競技者や練習中の人が転倒時に受ける衝撃の緩和ですから、反発弾性や衝撃吸収性は必要で、ポリエチレンのブレンド比率を高めるといったことは技術者として出来ません。
結局のところ、前述の通り、原料樹脂のEVA中のVA(酢酸ビニル)含量の高いものを高密度で架橋させる高架橋の発泡体を作る必要があります。
この技術は当社が得意とするところですが、それにしても高いハードルでした。

弊社の竪型熱プレスは2000tのプレスのため大きな加圧は問題ありませんので、原料配合以外では配合温度と時間がポイントです。
何回かの試作を経て、ようやく試作品が出来上がったところで、今度はジョイントの形状に取り掛かりました。
空手競技は動きが激しいので、三角形状でなく楕円形状にして激しい動きにも外れにくい形にしました。

これで完成という時に、空手は足裏を激しく擦らすので、火傷や足指の骨折を防ぐために表面に皮膜とシボをつけてほしいとのご要望が出てきました。
架橋したマットを再加熱して表面を溶融状態にしエンボスロールを通してシボを付けた上、皮膜(スキン)層を作るということは、加熱された部分の結晶化が進むことや未架橋部分の架橋が進むことになり冷却が進むにつれて反り返りが発生します。
その反り返りを防ぎ、かつ、エンボスの付与、スキン層の形成を行うことは専用機を作ることは勿論ですが、技術的に大変困難な作業です。

結果的に成功は致しましたが、わずか2、3ヶ月間での開発中は本当に苦しい思いをしました。

現在、(社)日本空手協会様や(財)日本空手連盟様への営業は盟和産業株式会社様に営業を一任していますので、そちらに加盟の支部・団体様におかれましては盟和産業株式会社様へご連絡をお願いします。



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