廊下と玄関は配管が通っていたり、同時に複数の人が歩行することもあり、騒音が発生しやすい場所で、リビングなどに比べて面積は狭いのですが、施工する場合には気を使う箇所です。
また、ドアの開閉の支障にならないように部分敷きにしたり、段差が出来ないようにテーパ材を使用する箇所が出てきます。

上図は施工前の玄関(画像の手前部分)から撮影した画像と施工後の画像です。
玄関の右脇は履物の収納場所で、扉は観音開きになっています。そのためスポンジマットを敷くことは出来ずタイルカーペットのみにせざるを得ませんでした。
玄関は複数の人が同時に床を鳴らすことがあるので出来るだけスポンジマットの敷き込み面積を広げたかったのですが、残念です。

施工後の画像の右下部分がその箇所です。テーパ材でスロープをつけましたので視覚的には分かりづらくなっています。尤も、玄関ですから見栄えが必要で目立たなくしたためでもあります。

上画像の左上はスライドドアです。
このドアの底(敷居)は廊下と同じ高さですから、スポンジマットとタイルカーペットを敷けば段差が出来てつまづきの原因となります。
そのためほぼドアの幅に合わせて引いた状態でテーパ材で段差を解消する必要があります。
テーパ材でスロープを作り、その上にタイルカーペットを敷いて仕上た状態が下の画像です。

さあ、いよいよメインの広いリビングです。
リビングの防音施工には大きな家具や家電製品の移動を伴います。
通常、本棚や食器棚は壁際に置かれ、それらが音を出すわけではありませんので、扉や引き出しが防音マット(スポンジマットやタイルカーペット)の厚さによって開閉を妨げられる場合や見栄えを良くしたい場合をを除いてその下に防音マットを敷きこむことはありません。
しかしながら、テレビ・音響機器やソファ、机、食卓などは椅子などの下は防音施工を行う必要があります。
これらの家具、家電製品のうちで比較的大きな重量が掛かってくるものは、スポンジマットの沈み込みを防ぐために脚の部分に強力マット・21mmタイプを敷いて沈み込みを防止しなければなりません。
そのために、家具や家電製品の移動を伴いますが、限られたスペースの中で移動させながら、スポンジマットやタイルカーペットを敷いていくのは非常に手間が掛かります。そして、移動時に出来るだけ音を立てないようにするにも気を使います。

上画像は42インチの大きな液晶テレビの載ったテレビ台を一時的に移動させて半枚使いの強力マット・21mmタイプを使おうとしているところです。

このように強力マット・21mmをスポンジマットの中に嵌め込んで沈み込み防止処理を行った位置にテレビ台を移動して場所を広げて施工しやすいようにすることが大事です。
同じようにパソコン机、ソファなども「 脚の位置決め → スポンジマット内で強力マット・21mmタイプとの差し替え → タイルカーペットの敷き込み → 家具・家電製品に設置 」といった具合に行います。

以上、今回は最近行った防音施工についての説明を記事としました。
ご参考になりましたら幸いです。
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このマンションは、高級なマンションで占有面積も広く、地下鉄駅の直ぐそばに立地しています。
多分、所得の多い方が入居なさっているのでしょうが、そのためか、小生が知るだけでも3件目となります。
前2件はショールームにお越しいただいた後にご注文を頂いたので覚えています。
(一回はお急ぎだったので当社のトラックでお届けしました。)
今回は、当社での施工をご希望でしたので予めお部屋を拝見し、内寸を測って割付図を作成してお見積もりを行いました。
必要な枚数は思った以上に多く、上面のタイルカーペットの敷き込みも考えれば、一日での仕上には4名の施工人員が必要になります。
施工場所は個人様宅なのでどうしても休日での施工となり、施工人員の確保の関係でお伺いした翌週末の施工となりました。
それでも、階下にお住まいの方とのトラブルが発生している最中ですから、トラブル解消のためにも出来るだけ早く施工日を決めたつもりです。
さて、今回の施工に付きましては、このブログの記事ために施工写真を数多く撮りましたので、これからご自分で施工なさる方のためにポイントとなる箇所を画像と共に説明いたします。
1.プレイルーム
最初はプレイルームの施工前の画像です。

電子ピアノが見えますが、演奏時にペダルを踏み込んだ時に発生する音を緩和するためにコンクリートの柱に近い位置に移動する必要があります。
また、重いためスポンジマットが沈みこみますので、沈み込み防止用に強力マット・21mmタイプを使う必要があります。更に、価格の高い強力マット・21mmタイプの使用量を節約のためピアノが床に当る箇所のみに位置を決めてスポンジマットと重ね切りをして半枚使いを試みました。(小さな薄いブルーの部分が半枚使いの強力マット・21mmタイプです。)

施工後の写真が下の画像です。

プレイルームの施工前の画像には出ていませんが、出入り口のある壁に物置部屋の出入り口があります。
この扉はプレイルーム用に開くようになっていますが、床面と扉の底は殆ど隙間がなくタイルカーペットを敷く余裕もない状態です。
防音対策としては、ドアの底を切って底を床から30mm程度上げた後にスポンジマットとタイルカーペットを敷きたかったのですが、当社の施工ではそこまで行うことは出来ません。
しかたなく、テーパ材でドアが開く状態で止めましたが、実はその辺りがフローリングが浮いているために一番きしむ箇所でした。
所有者の方には、「ここは是非施工をしたかったのですが、当社では内装の一部を切り取るようなことは出来ません。材料は残しておきますので後日ご自分で判断なさってください。防音のことをお考えでしたら施工なさることをお勧めします。」と申し上げる他はありませんでした。
一部のタイルカーペットの周縁が起きていますが、ピアノ設置部から割付を行い、更に、出来るだけスポンジマットの敷き込み面積を広く行うためにこのようなことになりました。見栄えよくタイルカーペットを敷くことは簡単ですが、防音効果を考えた結果です。勿論、後で施主様がドアを切ってスポンジマットをおつなぎになる前提です。

次回は、リビングと玄関について説明いたします。
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