今回は、パッチングデッキとニューパッチングデッキ(以下、Nパッチングデッキとします。)の使い分けのためのヒントを記事にいたします。
パッチングデッキは水はけが良く、そのためにプールサイドにも数多く使用されています。
今月だけでも大型のプールサイドへの出荷が4件あります。
そのプールサイドの床材としての条件は、
・素足での歩行が可能であること
・水はけが良いこと
・床面上(パッチングデッキの裏面)での通水を妨げない
・滑りにくいこと(ノンスリップ性)
・簡単に施工でき、破損箇所の取替えが容易
・転倒時の安全性の向上
等が考えられます。
最近はお子様だけでなく、かなりのご年配の方もプールにお出かけになっています。
Nパッチングデッキはそのような小さなお子様やお年寄りが裸足で歩いても痛く感じないようにパッチングデッキに比べてやや柔かめの樹脂で出来たデッキ材です。
また、屋内でのご使用を前提にしたものでもあります。
と申しますのも、屋外ではプールの開いている時期は暑い季節で、パッチングデッキが高い気温のためやや柔かくなり、ニューパッチングデッキを使用する必要がないためです。
Nパッチングデッキは、屋内プールサイドでのご使用を考えて、柔軟性以外にパッチングデッキにはない特徴があります。
まず、色に付きましてはパッチングデッキのように原色に近いものはなく、パステル調の感じになっています。
更に、裏面の円筒状の脚(スペーサと云います。)の一部に補強用のリブが付いています。
これは室内プールサイド特有の水はけのための勾配でスペーサの根元が折れ曲がらないためのものです。
下の両画像を見比べていただけましたら、お分かりになりますね。
室内プールサイドはそんなに奥行きがあるものではないので、水が溜まらないように排水路に向かって勾配が大きめのものが多いからです。
配合物に付きましては、元々太いリブ構造なので紫外線劣化しにくく、屋内での紫外線暴露の程度を考えて紫外線吸収剤の配合は行っていません。
そのため、パッチングデッキに比べてもそれほど価格差が大きくありません。
パッチングデッキの場合はご使用がプールに限らず屋外のため耐光剤が配合されています。
以上、季節的にプールサイドの床をご検討なさっている方が多いと思われますので、ご参考になればと書き留めてみました。

パッチングデッキのご注文は毎日数件頂いていますが、このご注文の備考欄にパナホームの文言があり気になってお電話を差し上げました。
と申しますのも、約10年ぐらい前までパナホーム(当時はナショナル住宅)向けには東レ(株)を通して毎月7万枚前後のパッチングデッキ(当時は「東レスパックNT」の品名)を納入していましたが、色はライトグレーで、今回のご注文の色はダークグレーだったからです。
お話をしてみますと、約11年前にパナホーム様で家をお建てになったとのことで、当社の製品に間違いなく、色は弊社のショールームより色サンプルを入手なさってチェック済みとのことです。
これで安心して出荷できますが、当社(グループ)で生産した商品を長くお使い頂き、更に劣化した箇所(物干し場で直射日光に晒される場所とのことでした。)もご指摘頂いた上でのご注文です。
メーカーにとって、長くご使用いただいた上での商品の交換、お使いいただいた上でのご意見、更にはわざわざインターネットで検索なさって当社をお探しになったこと等、本当に嬉しくなりました。
早速、本日出荷を行うこと、当時に比べて耐光性が大きく向上していること、ジョイント方法、カットでのご注意点などを説明して電話を切りましたが、切った後で本当に満ち足りた気持ちになっていました。
