この場合は通常のロールスクリーンのように重力の方向と違って、垂直方向になるので常に張力(テンション)が掛からないと垂れてしまうので、ストッパ無しの場合が殆どです。
また、引き出した(巻き出した)端のウェイトバーを固定(引っ掛け)するためにスクリーン(シート)より大きくはみ出したウェイトバーの両端を作る必要があります。即ち、フック用に引っ掛けるだけの長さ分を必要とします。
特殊な場合は、本体を窓(開き)の左右どちらかに固定して、スクリーンをもう一方の側に直接固定して扉そのものとしてご利用なさる場合もあります。殆どは機械・装置などの安全扉としての用途です。
安全扉である以上、内部を見ることのできる透明シート、UVクリアシートをスクリーンとしてご指定なさる場合もよくあります。
このシートはスクリーンの自重が大きくならないように、また、シートに掛かる張力に対する応力に偏りが出ないように糸入りのそんなに厚くない透明シートを使用する必要があります。
それでもシートがきちんとした垂直状になるわけでなく、断面で見るとお皿のような断面に近いものになります。この傾向はシートの長さが幅に対して大きな比率になるほど大きくなります。即ち、比率が1となる正方形の場合では殆どこのような傾向はなくなって断面は垂直線に近くなります。
更に、反対にシートの幅に対して送り出す長さの比率が大きいとこの傾向は大きくなり極端な場合はフレアー(しわ)が発生してシートの送り出しや巻取りに支障が出てくる場合もあります。
シート幅に対して長さの比率を3以下に抑えることをお勧めします。
横使いのロールスクリーンのお見積もりや設計のご依頼の際は以上の事項にご注意なさって連絡をいただけますと助かります。
巻き取りロール内にはコイルバネが内蔵されていますので、ストッパ機能を取り付けなければ巻き戻す力が常に掛かりインテリア用品としてだけでなく、電源不要の安価で安全な送り出し装置、巻き取り装置としても使用できます。
今回は少し変わった業務用の巻き取り装置(ロールカーテンキット)としての製作例を取り上げてみます。
ある鉄鋼大手メーカーは、検査装置の安全扉としてお使いです。
検査機の扉の開閉に伴って磁気センサーの磁界波が検査機から漏れないように、ロールカーテンの生地を電波遮蔽シートにして、ストッパ無しの巻き取り機を横方向に固定し電波遮蔽シートが送り出されたり巻き取られたりするようになさって磁気センサーからの磁界波の遮蔽を行っています。
詳しくは分かりませんが、アルミシートの厚さが40ミクロン以上あれば装置内の磁界波が漏れないとのご要望で、当社の電波遮蔽シートとロールカーテンキットを組み合わせて納入いたしました。
ある大手自動車メーカは、電動車に連結された荷台の雨除けカバーとしてお使いです。
長い荷台に載せた荷物が雨が降ってる時でも雨が掛からないように荷台の前後まで覆えるように荷台の前端に巻き取り機を固定して雨の時は巻き取りロールから引き出して後端下部のフックに生地の先端のウェイトバーの両端を固定できるようにしました。
生地は荷物の状態が見えるように透明性の高いUVクリアーシートを使い、巻き取り機のコイルバネはさびにくいステンレス製のバネを使用しました。
勿論、ストッパ無しで、プルグリップ仕様です。
明日の出荷ですが、ある大手機械メーカー向けには電子機器(部品)の実装機の安全扉としての巻き取り装置としての納入です。
電子機器関係のため静電気対策が必要で生地には除電マットを用いています。
除電マットは防炎認定品で工場内の安全扉としてのロールスクリーン生地として問題ありません。
但し、シートの両側が少し内側に巻いているのが気になりました。巻き取り機のサイドブラケットの調整ネジを「強」に回せば改善されますが、こちらとしては使用時のコイルバネの加減が分かりませんので、やや緩めになっています。
以上のように、ロールカーテンキットは非常に安価な巻き取り機としても様々な用途に利用できます。
この記事をお読みの皆様で電源の要らない安価な巻き取り機を必要とされる場合には是非ご相談下さい。
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